オトナの意義とは?(ちょっと長いよ)

今朝、一日考えさせられる出来事があった。
最寄り駅でいつものように始発電車を待つためにホームに並んでいたときのこと。
整列しているホームの上に誰かの荷物が置いてあった。
その荷物を気にも留めない様子でみんな始発電車を待っていた。
ようやく電車がホームに入ってきたとき
若い女性の金切り声が聞こえた。
「ねえちょっと!横はいりしないでよ!!」
声のほうを向くと、どうやらその女性は
サラリーマン風の男性に向かって自分の前に割り込みされた事に腹を立てていたようだった。
その男性はこう言って弁解していた。
「荷物を置いていたじゃないか・・・」
そう。ホームにぽつんと置いてあった荷物はその男性のものだった。
さらに女性は怒鳴った。
「荷物置いたからって横はいりしていいと思ってんの?!あなたオトナでしょ?オトナでしょ??!!」
その女性は年の頃は26、7歳だろうか。
ブランドスーツをビシッと着こなし、いかにもキャリアOL風の出で立ち。
ここまでなら『女性の言い分ごもっとも』と思いますが
・・・実はその怒鳴られていた男性は松葉杖を持った足が不自由な人だったんです。
足が不自由だから立って並ぶことが出来ず、自分の荷物を代わりに置いていたわけなんです。
怒鳴っていた女性もその男性が足が悪いというのは松葉杖が見えているわけなので普通は理解すると思うんだけど。
だとしたらなんて心の狭い人なんだろう・・・。
その男性も言い返せばいいじゃないか。
「僕は足が不自由なんだから仕方ないじゃないか」と。
いや、やっぱりプライドがあるんだろう。
そんなことは言いたくないだろうなぁ。
その女性はずっと足の不自由なその男性を
しきりに「オトナでしょ?あなたそれでもオトナ?」と怒鳴り責め続けていた。
なんだかその様子がやたら浅ましくて醜くみえて
朝からやるせない嫌な気分になった。
大人っていうのは他人の立場に立って心にゆとりを持てる人なんじゃないかなぁ。
とすれば、その女性は間違いなくオトナではないわけなんです。
自称オトナが増える一方で本当のオトナっていうのは少ないんだなぁ・・・
なんて考える一日だった。